Market Intelligence Summit 2019 イベントフルレポート(1/3)
10月24日にSimilarweb Japan のコーポレートイベント「マーケット・インテリジェンス・サミット(MIS) 2019」を開催しました。MISの東京開催は、加速するマーケット・インテリジェンスの重要性とその成功事例を参加者の皆さまに共有し、ビジネスにおけるビッグデータの活用を共に考える機会として、今年で4回目を迎えました。
Similarwebが提供するマーケット・インテリジェンスは、世界中のあらゆるサイトのトラフィックをダイナミックに可視化します。そこから得るインサイトはマーケティングのみならず、営業、リサーチ、投資にいたる様々な目的で業界動向や競合情勢を得るために活用され始めており、それによって多くのグローバル企業がいち早く成功を収めています。
このイベントレポートでは前中後編の3回に分けて、各セッションの内容をダイジェストでご紹介します。それぞれの組織がSimilarwebをどのように活用していかにビジネスの成功へつなげているか、見ていきましょう。
業界で「勝つ」ためにCEOが知るべきインサイト
Similarweb CEO Or Offer
本イベントに合わせてイスラエルから来日したCEO兼創立者 Or Offerの講演テーマは「業界で『勝つ』ためにCEOが知るべきインサイト」。ビジネスにおけるより良い意思決定のためにインサイトを提供するというプロダクトの特長を説明するとともに、その精度を支える豊富なデータセットをご紹介しました。
Similarwebはパネルと呼ぶデータ源を独自のアルゴリズムで分析・加工・可視化することによって顧客企業に市場のインサイトを提供しますが、そのパネルは8000万のウェブサイトや300万のアプリ、190以上の国と地域、400万以上の広告クリエイティブを横断的にカバーし、250のカテゴリや350万以上のキーワードの分析を可能にしています。
日本では3年前に法人を設立、2年前からは大手町にオフィスを構えており、リセールパートナーのGaprise社を含めると現在40人以上のチームとなりました。無償でご利用いただけるSimilarwebの拡張機能は2万人以上に利用され、より深く広い分析ができるSimilarweb PRO(有償版)の導入企業数は幅広い業界で300社を超えています。
▽日本の市場のトレンドを掴んで急成長を遂げたAli Express
ここで、日本市場における具体的な活用の成功事例をご紹介します。皆さんはAli Express というオンラインショッピングサイトをご存知でしょうか。Amazonや楽天に比べて知名度は低いものの、実は直近3年間のトラフィック増加率を見ると、Amazonが -1%、楽天が7%であるのに対し、Ali Expressは103%となっています。
Ali Expressが目を見張る成長を遂げた背景をSimilarwebで分析すると、3つのポイントが明らかになりました。
一つ目は戦略的投資によって”成長を買っている”点です。2018年から2019年にかけて、下のグラフからペイドサーチとディスプレイ広告に投資をしていることが分かります。
この期間、日本における有料トラフィック獲得への投資は月間でおよそ100万ドルにのぼりました。これほどアグレッシブに広告投資をすると、続いてダイレクトトラフィックが増加します。そこへテレビCMキャンペーンを展開することによって、ブランドの急成長を実現したのです。実際、2017年に100万件ほどだったダイレクトトラフィックは、2018年に200万件へ成長しました。ブランド認知が高まってダイレクトが増えることにより、次のフェーズではペイドサーチへの投資を減らして異なるチャネルにコストを再投資できるようになります。
2つ目のポイントは、パートナーとアフィリエイトの活用です。Ali Express のパラメーターを分析したところ、アフィリエイトからの訪問数が前年比で400%以上に成長していることがわかりました。これは非常に効率的なオペレーションだと言えます。
そして3つ目のポイントは、顧客の購買トレンドを知るということです。言い換えると、Ali Express は顧客が何を買いたいかを非常によく把握していたことが分かります。去年のクリスマスシーズンに同サイトで売れたTop10プロダクトのうち4つが携帯電話で、そのうち2つがシャオミ製品、かつ「シャオミ」というキーワードの検索数が2018年10月の8万件から2019年9月には20万件以上に激増しているというトレンドを掴んだ Ali Express は、在庫をしっかりと揃えることによって携帯電話の検索をする顧客をしっかりとキャッチできました。
- 成長のためにしっかり投資をして認知を高める
- アフィリエイトプログラムを導入する
- 日本の市場のトレンドを掴んで在庫を担保する
以上が、Similarwebの活用によって日本市場で急成長を実現した Ali Express の成功事例です。このようにマーケット・インテリジェンスは業界を問わず、あらゆる市場を突破するための武器となります。
Similarweb製品ビジョンとロードマップ
Similarweb CPO Benjamin Seror
Similarweb Solution Business Manager Adi Sarig
続いてCPO の Benjamin Seror とSolution Business Manager の Adi Sarigから「マーケット・インテリジェンスの展望」と題し、プロダクトのビジョンとロードマップをお伝えしました。
▽Similarwebの価値を支える4つのコミットメント
Similarwebを一言で表すと「デジタル世界を読み解くスタンダード」であり、その役割は「意思決定プロセスの死角をなくすこと」です。その考えに基づき、より具体的な用途に即した分析ができるよう、2019年4月からは Sales / Research / Marketing / Investors の4つのソリューションを提供しています。
Sales Solution は、パイプラインを増強し、より多くの案件を勝ち取るためのソリューションです。適切なインサイトと購買シグナルを適切なタイミングで提供し、営業チームがいち早く案件を見つけ、勝ち取り、維持することを可能にします。
Investors Solution は、デジタルデータを活用することによってより良い投資判断を可能にするためのもの。投資家が最も気になる疑問に答え、キーとなるデジタル・シグナルを浮上させる投資向けインテリジェンスです。例えば、SimilarwebがNetflixの株価に関する分析・予測を同社の決算発表前に提供した際、多くの投資家がそれによってよい投資判断ができたと評価しています。
従来からの Similarweb のコアソリューションであるMarketing & Research にこれらの新しいソリューションが加わり、顧客企業に価値を提供しています。このように、Similarwebが企業のパフォーマンスをベンチマークし、プランニングし、最適化し、そしてモニターする”One Platform” として機能するのは、次の4つの強みがあるからです。
(1) 信頼のおけるデータ:
料理でいえば新鮮な材料に例えられます。この材料を調理する洗練されたレシピ、つまりAI技術を基盤とした製品アルゴリズムも日々改善を続けています。4億以上のデバイスをパネルとするデータや公開ソース、IPSなどの信頼できるデータ源をもとに、30人以上のリサーチャーやアナリストが分析や予測の結果を日々補正し、機械学習のアルゴリズムの精度を高めています。日本でも過去2年でデータを大幅に改善し、パネル数を5倍に増やしました。
(2) インサイトへの最短距離:
顧客企業がインサイトの抽出にかける時間を減らすため、Similarwebは競合に対する自社のパフォーマンスを迅速に見て取れるダッシュボードを提供しています。これにより、どのキーワードで勝っているか、あるいは負けているか、どのような努力をするべきかを顧客企業は迅速に判断できます。
(3) アクションをドライブする:
消費者の意図やトレンドを理解し、先読みする予測機能を強化しています。Similarwebの活用によって、トレンドが出てくる前にその兆候に気づけることに加え、情報を収拾しようとしているのか、購買しようとしているのか、アドバイスを求めているのか・・・という検索意図を合わせて提供することによって、最も利益を生みそうなキーワードを抽出することができます。
(4) 分析フレキシビリティの最大化
WebサイトやAppの分析だけでなく、様々なパラメーターをプラットフォームに組み込むことによってより深いインサイトを得ることができる機能を提供しています。
これら4つの強みをコミットメントとして、Similarwebは今後も、プロダクトの精度の向上を通して顧客企業に提供する付加価値を高めてまいります。(中編に続く)
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