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ウェブサイトやアプリのエンゲージメント率はどうやって算出する?

ウェブサイトやアプリのエンゲージメント率はどうやって算出する?

エンゲージメント率というと、即座にFacebookやInstagramが思い浮かびます。しかしこれは、ソーシャルメディア上で投稿された「いいね!」の数だけを示しているわけではありません。オーディエンス分析のための高品質な指標であり、コンテンツが提供する価値をはかる指標でもあります。

皆さんはウェブサイトやアプリのエンゲージメント率が高いことの意義について考えたことはありますか? なぜ消費者は自社の製品、例えばソフトウェアに興味を持つのかを考えてみてください。答えは簡単で、それに価値があると思ってくれるからです。

この記事では、ウェブサイトとアプリの両方でエンゲージメント率を計算することがなぜ重要なのか、ソーシャルメディアのエンゲージメントとはどう違うのかをご紹介します。この指標が、自社のウェブサイトや顧客について何を教えてくれるのか、また、効果的に測定することで、どのようにマーケティングを強化できるのかが理解できるはずです

エンゲージメント率

ユーザーがエンゲージするとはどういうことか?

ソーシャルメディアでは、人々は見たい、見られたいと思ってエンゲージします。例えば、自社のブランドがトレンドセッターであったり、ソーシャルサークル内で人気があったり、あるいは価値のあるコンテンツを提供すると、多くの人がそのブランドに関心を示し、フォロワーとなったり「いいね!」をクリックすることから継続的な関係性が生まれます。

一方、ウェブサイトやアプリでは、ユーザーの意図が異なります。ユーザーが自社のサービスに登録した場合、単なるフォローとは異なり、何らかの見返りを期待しています

例えば、マーケティングキャンペーンにおけるサインアップ率やログイン頻度を測定することで、そのキャンペーンの成功を判断することができます。しかしより重要なのは、サインアップ後もアプリがユーザーの期待に応え、ユーザーをサービスにとどまらせることです。これがユーザーエンゲージメントであり、その評価指標がエンゲージメント率です。

エンゲージメント率をモニタリングすることで、顧客満足度を判断し、解約の可能性を見きわめることができます。また、コンテンツの品質やユーザーエクスペリエンス(UX)についてもわかることがあります。エンゲージメント率が低い場合は、ユーザーが期待していることと、自社が提供しているものとの間にミスマッチがあることを示している可能性があります。

エンゲージメント率の計算方法は?

エンゲージメント率は、概念としては、アカウント保有者全体のエンゲージメントのレベルを数値化したものです。問題は、「いいね!」や「シェア」、「フォロワー数」などのいわゆるバニティメトリクス(虚栄の指標)を提供していないプラットフォームでは、何をもってエンゲージメントとみなすのかということです。

SaaS(Software-as-a-Service)であれば、エンゲージメントとは、お客様が価値を実感している状態を指します。価値を見出したお客様は、アクティブであり続けます。つまり、顧客のライフサイクルにおけるすべてのユーザーのうち、アクティブなユーザーの数を測定する必要があります。

ソーシャルメディアのエンゲージメント率計算式

   エンゲージメント率(%) = (いいね!+コメント+シェアの数 / 総フォロアー数)x100

ソーシャルメディアエンゲージメント率の式

ソーシャルメディアでは、エンゲージメントの指標を簡単に見ることができます。フォロワーやファンが自社のコンテンツと接点をもった場合、それはエンゲージメントとみなされます。プラットフォームにもよりますが、「いいね!」、「シェア」、「コメント」、「リツイート」、「フォロワー数」などがそれに該当します。

これらの数字を見ると人気者になった気分になるかもしれませんが、単独の指標ではあまり参考になりません。エンゲージメント率は、これらの指標を結合し、フォロワーの総数と関連付けて計算します。こうして得られた数値は、フォロワー数に関係なく、似たようなページと比較することができます。

*エンゲージメント率の計算式を提供しているサイト(英語)を活用して簡単に計算することも可能です。

ウェブサイトとアプリのエンゲージメント率

この計算式は、ウェブサイトとアプリで少し計算方法が異なる部分があるようです。

ウェブサイトやアプリのエンゲージメント率計算式:

エンゲージメント率 = (エンゲージしたユーザー数/総ユーザー(ダウンロード)数)x 100

ウェブサイトとアプリのエンゲージメント率の計算式

計算する前に「engaged users」を定義し、主要な指標を決定する必要があります。

どのユーザーがそのカテゴリーに含まれるのかは、業界やビジネスタイプによって異なります。何が自社にマッチしているかを明確にするためには、顧客が得ている価値とその測定方法を定義します。提供価値は、顧客のライフサイクルを通じて変化するため、同じタイミングで登録したユーザーのエンゲージメント率を測定することが重要です。

例えば、アプリの無料試用期間を提供している場合、ユーザーにオンラインチュートリアルを探索してもらいたいと思うかもしれません。これが提供価値です。新規の無料ユーザーがどれだけチュートリアルにアクセスしたかを追跡し、エンゲージメント指標の一つに加えます。チュートリアルを読んだ後にサインアップしたユーザーの割合が、そうでないユーザーの割合よりも高いかどうかを分析します。

これにより、チュートリアルがユーザーにとってどれだけ価値があり、顧客獲得に影響を与えているかを判断することができます。またユーザーがプランを購入した後は、提供する価値が変わり、エンゲージメントとみなされる活動も変わります。

エンゲージメント率を測る2つのアプローチ

1. 時間軸でエンゲージメント率を測定する

アプリの場合:

  • アクティブユーザーを定義 – エンゲージメントを表すアクティビティ、ユーザー行動分析、ユーザージャーニーマップ、使用時間などに基づいて行います
  • ユーザーグループ(コーホート)ごとにエンゲージメントを追跡します
    • 毎日モニタリング – アクティビティ量が多いアプリ(ソーシャルメディアアプリ)に有効です。デイリーアクティブユーザーとも呼ばれています。
    • 週単位のモニタリング – ほとんどのSaaSや商用アプリに有効で、週末や特別オファーなどによるアクティビティの急増を排除できます。
    • 月次のモニタリング – 長期的な平均値を前回との相関関係で追跡する場合や、時々使用されるアプリに使用します。月間アクティブユーザーとも呼ばれます。
  • 計算式を適用して、セグメントまたはユーザーグループのユーザーのうち、何人がアクティブであり続けているかの割合がどう推移したのかを把握します。

エンゲージメント率-ソーシャルウェブサイト

ウェブサイトの場合:

エンゲージメントを測定することで、コンテンツの質や効果を判断します。 

ウェブサイトのエンゲージメント指標としてよく使われるものは以下の通りです。

エンゲージメント率-クーポンサイト

エンゲージメントを定期的にモニターし、追跡する。

2. マーケティングチャネル別にエンゲージメント率を測定する

  • マーケティングチャネルの影響を理解します。
    • ダイレクトトラフィック – ブラウザにURLを直接入力する、あるいは保存されたブックマークをクリックして発生したサイトへのトラフィック
    • 検索連動型広告 – 検索エンジンマーケティング(SEM)やペイパークリック(PPC)と呼ばれ、Googleなどの検索エンジンにお金を払って検索結果の上位に広告リンクを表示させ獲得するトラフィック
    • ソーシャルメディア – Facebook、Instagram、Twitterなどのソーシャルメディアプラットフォームからウェブサイトやアプリに流入したオーガニックトラフィック
    • リファラル – ニュースやレビューサイト、ブロガー、インフルエンサーなど、他のリファラルサイトから流入するトラフィック
    • メール – メールマーケティングキャンペーンからウェブサイトを訪問したトラフィックで、通常は既存のユーザーによるアクセス
  • ユーザーをマーケティングチャネル別にグループ分けします。
  • グループごとのエンゲージメント率を長期的に測定・追跡します。最も価値のある顧客はどこから来るのか、どのマーケティングチャネルが長期的で価値の高い顧客を生み出すのかを理解します。

マーケティングチャネルのパフォーマンスを測定および追跡する

良いエンゲージメント率の基準とは?

これは誰もがもっとも知りたい点です。結局のところ、エンゲージメント率から何を期待すべきかわからないのであれば、分析する意味がありません。

エンゲージメント率は誰にとっても同じではありません。ビジネスのタイプや業界によって、その測定方法は異なります。平均値は複数の変数に依存するため、単に数字を比較することもできません。

自社にとって適切なエンゲージメント率を評価するには、自社と同じビジネス領域のアプリやウェブサイト、プラットフォームを運営する企業のウェブサイトをベンチマークする必要があります。また、ライフサイクルの中で同等のステージを比較する必要があります。

その点、ソーシャルメディアの場合は、数字の比較が容易です。

  • Facebookでは、平均的なエンゲージメント率は0.09%
  • Instagramでは、2018年は平均エンゲージメント率が1.6%と大幅に上昇しましたが、2020年には0.18%しかありません。
  • Twitterでは、平均エンゲージメント率はわずか0.045%となっています。 

これらは全体の平均率であることに留意してください。より正確に把握するには、特定の業界やカテゴリーの平均値を確認してください。

特定の業界またはカテゴリの平均を確認してください

エンゲージメント率を測定する際に考えるべき3つのポイント

  • 競合他社とのベンチマーキングを実施する場合に、似たようなサービス間の大きな違いを見落としがちです。必ずマーケティングチャネルごとのエンゲージメント率を比較しましょう。
  • ユーザーからの様々な働きかけを目にすると、人気者になった気分になって分析の手を止めたくなくなることがあります。しかし、バニティメトリクス(虚栄の指標)に惑わされないように注意しましょう。真のエンゲージメント率を測定・追跡することが重要です
  • マーケティングキャンペーンがエンゲージメント率に影響を与えることを覚えておいてください。エンゲージメントが急上昇した後、しばらくして冷え込むことがあるかもしれません。時系列でエンゲージメント率をモニタリングする際には、この点を考慮してください。

強力なマーケティング戦略でエンゲージメントを高める

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このブログは、Ruth M. Trucks氏の協力を得て執筆されました。

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by Daniel Schneider

Director, Content Marketing

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