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コロナウイルス感染拡大で変わるファッション・アパレル業界

コロナウイルス感染拡大で変わるファッション・アパレル業界

新型コロナウイルス感染の拡大抑止のため、政府からの大規模イベントの自粛要請や、緊急事態宣言が出された影響から、国民の消費行動に大きな変化が見えてきました。人の集まる実店舗での購買行動を避ける傾向が強まり、それは食料品から日常生活用品へと広がっていますが、今回はファッション、アパレル業界への影響を分析しました。

「ファッション&アパレル」カテゴリの分析

シミラーウェブのカテゴリ分析機能を利用し、「ファッション&アパレル」カテゴリの分析を行いました。

2020年4月のトラフィック総数を昨年同月で比較すると、カテゴリ全体として1.54%のトラフィック上昇が確認されました。興味深いのは、デスクトップのトラフィックは – 5%、モバイルからのアクセスが + 2.9%で、モバイルがカテゴリ全体の伸びを牽引していることがわかります。

緊急事態宣言で外出自粛や実店舗の一時休業が進む中、消費者の購買行動がデジタルシフトしているシグナルと考え、関連キーワードやトラフィックを更に詳しく見てみました。

「ファッション&アパレル」カテゴリの2020年4月のパフォーマンス概要

「ファッション & アパレル」カテゴリー | 2020年4月 | 日本

また、同カテゴリ内での「オンライン」を含む検索キーワード(2020年4月単月)を調査したところ、ほとんどのキーワードでは前月比でトラフィックシェアを伸ばしているものの、いくつかのキーワードはトラフィックシェアを落としています。カテゴリ全体や他社の動向と自社の成長を比較し、立ち位置を認識することは、デジタルマーケティングで成功する上でとても重要です。

「ファッション&アパレル」カテゴリでの「オンライン」を含む検索キーワード(2020年4月単月)

「ファッション & アパレル」カテゴリー | 「オンライン」を含むキーワードで流入するトラフィック | 2020年4月 | 日本

大手アパレルメーカーのECサイトパフォーマンス

次に、複数の大手アパレルメーカーのECサイトに対してシミラーウェブ のウェブサイト分析を利用して調査を行いました。

職場で着用することが想定されるスーツを販売する大手メーカーの2月ー4月の総訪問数は、昨対比で各社、約4%から最大で約40%まで減少しています。

大手スーツメーカーの2019年の年間トラフィックを分析したところ、各社ともに、3月に最もトラフィックが増加する傾向がありました。これは新生活や就職活動の本格化を前にした季節要因の需要と思われます。

2019年3月のトラフィックは、同年前月比で、34%から46%ほどの上昇を見せていました。しかしながら、2020年3月のトラフィックは、同年前月比で-3%から最大でも0.15%の上昇にとどまっています。これは、外出自粛の影響を受けたトレンドと言えるかもしれません。

 

新規オンライン購買ユーザーを獲得するファストファッション

その一方で、主にファストファッションを販売する大手アパレルECサイトメーカーのECサイトへの2月ー4月の総訪問数は、昨対比でgap.co.jpを除く他の3社はトラフィックを伸ばしており、その増加率はまばらではあるものの、約+1.3%から最大で+30%となっています。

大手アパレルECサイトメーカーのECサイトへの2月ー4月の総訪問数推移(昨対比)

また、2019年3月-4月では、「オンライン」を含む検索キーワード(日本、デスクトップ+モバイル)で流入した合計訪問数が1,034,000だったのに対し2020年同月では、2,075,000 で約2倍に増加してることが分かりました。この成長率の背景には、これまでECサイトでアパレル商品を購入する習慣のなかったユーザーが、新型コロナウイルスの拡大をきっかけにオンラインへ流入しているということが考えられます。

また、下記グラフからもわかるように、「オンライン」のキーワードで発生するトラフィックの増加を強力に牽引するのが、昨年同時期比で約5倍となる、モバイルウェブからの流入です。デスクトップからの流入は若干の減少すら見られる一方、ファストファッション業界でも、モバイルファーストが明らかに見られるようになりました。先般弊社が公開した「2020年のデジタルトレンド」レポートでもご紹介した通り、モバイルウェブからのアクセスでは、求める情報が「より明確に」「より早く」提供されることが重視される傾向があります。新しく獲得したユーザーの定着率を上げ、競合に勝つためには、こうしたモバイルユーザーの意図や動向をしっかりと把握した戦略を立てることが重要だと言えるでしょう。

ファッション・アパレル業界は、コロナウイルス感染拡大により多くの実店舗が休業を余儀なくされる中、各ECサイトでのコンバージョンの向上を目指すことが、ビジネスの維持・成長に不可欠と考えられます。また、この時期に獲得できたECサイト利用者は、今後、コロナウイルス感染が収束した後にも、一定量、定着する事が期待できます。そのため、各社、送料無料、返品無料キャンペーンなどを打ち出し、新たなECサイト利用者の獲得を目指している模様です。

シミラーウェブを通じて、業界全体、またトッププレイヤーと自社サイトのパフォーマンスを比較し、より効果的なマーケティング戦略に役立ては如何でしょうか。

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