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【市場調査の方法】簡単な“6つ”のステップとは?

【市場調査の方法】簡単な“6つ”のステップとは?

市場調査の方法を知ることは、ビジネスのどの職務においても重要であり、規模や範囲、業種に関係なく、あらゆる組織にとってメリットがあります。

定期的に市場調査を行うことでビジネスチャンスを発見し、現在のトレンドを把握することで、自社のビジネスを強化できます。

この記事では、市場調査を定期的に行う必要がある理由を解説後、6つの簡単なステップによる市場調査の方法を紹介します。

市場調査とは?

市場調査とは、対象となる市場に関するデータを収集するプロセスです。競合状況、消費者、市場に影響を与える状況などを調査します。

市場調査のメリット

定期的な市場調査が有益である8つの理由。

  1. 競合状況の把握
  2. 市場のトレンドの把握
  3. 成長または多角化の機会を発見
  4. 新製品や新サービスを立ち上げる際のリスクやコストを削減可能
  5. ターゲット層をより深く理解できる
  6. マーケティング活動の強化、または改善方法の発見
  7. 市場内のポテンシャルを分析・理解
  8. ターゲットとする市場の新しいセグメントを特定

市場調査を行うべき理由

市場を定期的に見直し、市場調査をやり直すことは重要です。その理由は下記の通りです。

  • 市場の変化
  • 消費者行動の変化
  • 既存市場への新規参入
  • 市場破壊を起こすような技術や競合製品の強化により、状況が変化
  • 外部の活動が市場の状況に影響を与え、変化を促す

市場調査の方法をすでにご存知であれば、その作業をどのくらいの頻度で行っているかを自問してみてください。そして、その作業にかかる時間と、情報を得るために使用したツールについて考えてみましょう。

これらを念頭に置き、最も効果的な市場分析方法を解説します。市場調査の事例を交えながら、やるべきステップをご紹介します。

市場調査の方法

この6つのステップでは、市場調査の方法をわかりやすく、行動に移しやすい段階に分けて説明します。

始める前に 調査結果を記録するためのフレームワークを使います。可視化ツールはたくさんありますが、基本的にはエクセルで十分です。分析を見直すために戻ってきたり、調査を繰り返し行う際、すべてを一箇所に記録しておくにはエクセルが便利です。時間の節約にもなる他、次の市場調査の際に比較することも簡単になります。

Step 1 – 市場セグメンテーション

市場セグメンテーションとは?新市場への参入、新商品の発売、既存事業の機会評価など、市場分析プロセスの最初のステップは非常に重要ですが、見落とされがちです。

なぜ必要なのか?市場セグメンテーションは、ターゲットとする市場のコアセグメントを特定するのに役立ちます。自社製品が市場のどの部分に適しているかを特定することで、市場規模を正確に定義し、潜在顧客の特定のニーズや嗜好をよりよく理解することができます。

どのように行うのか?:市場をセグメンテーションする方法は様々であり、自社の製品、顧客または顧客属性によって適切なアプローチは異なります。

ここでは、Similarwebのウェブサイトセグメント機能を使い、セグメントがどのように構築されるかを見れます。この市場は、純粋なプレーヤー(アメックスVISAなど)と、クレジットカードをセグメントの一つとして持つ個々のプレーヤー(ウェルズ・ファーゴUSAAなど)で構成されています。このように市場を分割することで、市場分析においてより関心のあるビジネス分野を分析することが可能。

つまり、ウェルズ・ファーゴやUSAAが扱うローンなど、他の事業分野のデータを見る代わりに、クレジットカード・セグメントだけに焦点を絞ることができます。

これは市場セグメンテーションの一例です。他にも、消費者のニーズ、理想的な顧客属性、地域、その他の人口統計データに基づいて市場をセグメント化することも可能です。

Step 2 – マーケット・サイジング

市場サイジングとは?:マーケット・サイジングは、ターゲット市場の潜在的な販売量や売上高を特定するものです。二次調査または一次調査のいずれかを用いて、現在参入している、または参入を計画している市場の実際の規模を探るための、市場調査に不可欠な要素です。

TAM:Total Addressable Market(獲得可能な最大市場規模):市場全体の価値を示すもので、市場サイジングプロセスの最初のステップです。例えば、米国のクレジットカード市場を分析したいとすると、TAMはこの市場全体を占めることになります。
サービス・アドレサブル・マーケット(SAM):対象地域における製品やサービスの潜在的な利用者数に注目します。クレジットカードの例で言えば、「信用度の低い」層をターゲットとしたクレジットカード事業の総額となります。
シェア・オブ・マーケット(SOM):「サービス・アドレサブル・マーケット」とも呼ばれ、SAMに占める達成可能性の割合を示します。SOMは常にSAMより低く、前年の実績または現在の市場シェア+成長予測に基づく推定値の範囲をとってこの数字になります。

なぜ、マーケット・サイジングが必要なのか?:マーケット・サイジングは、ビジネスチャンスの大きさを理解するのに役立ちます。市場の規模と範囲を理解することで、企業は市場の潜在的な収益性を正しく評価することができます。また、市場シェアを長期的に追跡することで、その時々の競合との差を明らかにすることも可能です。

どのように行うのか?:まず、対象となるエリア、顧客タイプ、測定対象の製品やサービスなど、市場の境界線を定義する必要があります。これらのデータがあれば、二次リソースを使って市場規模を推定することができます。

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市場調査例 | マーケット・サイジング

トラフィックシェアの指標を使用し、製品やサービスにリーチ可能な、またはリーチできる可能性のあるオーディエンスの総数を示すことで、潜在的な市場規模を推定することができます。

Market sizing for market analysis

Similarwebのマーケット分析を使い、自社のマーケットのパフォーマンスをリアルタイムで見ることができます。Similarwebの業界分析を使えば、その市場にいる人の総数(ユニークビジター数)を見ることができ、自社がその市場でどれだけのシェアを獲得しているのかを把握可能。

市場規模を把握する際、四半期ごとや年ごとに市場調査をしがちです。しかし、多くの場合、重要なインサイトはリアルタイムで変わっていきます。時には予期せぬ変化を起こし、成長や行動の変化を示すこともあります。そのため、年間を通じてリアルタイムのデータを元に市場調査を継続することを重視すべきでしょう。

traffic share changes over time using Similarweb’s market trends

ここでは、Similarwebの市場トレンドを使い、トラフィックシェアの経年変化を見ています。USAA(紫色)と共に、Snychronyの成長(緑色)の影響を見ることができます。今年の初めには、この2つのプレーヤーは市場に影響を与えませんでした。ところが2022年末には、この2社は成長を見せており、市場分析プロセスのステップ4に到達したときには、追跡すべき2つの重要な競争相手となっています。

リアルタイムに市場調査ができていない人は、これら2つの新興プレーヤーの台頭を示す重要なインサイトを見逃すことになります。年末の時点で、彼らはすでに市場の一角を占めており、このまま同じ軌道をたどれば、2023年も成長を続けることは明確であり、これを見逃せば自社は正しい対応策を取れないでしょう。

適切なツールを使えば、必要な市場データをリアルタイムに見ることができ、市場が変化したときに戦術を変えることができます。

Step 3 – 市場トレンド調査

市場トレンド調査とは?:現在のトレンドを見直すことは、優れた市場調査手法の一つです。ご存知の通り、トレンドは常に変わります。だからこそ、市場動向は日常的に行うべきでしょう。

なぜ市場トレンド調査が必要か?:常に動向を把握しておくことで、適切なタイミングかつ適切な方法で対応でき、市場に対して柔軟に対応することができるためです。市場トレンド調査は、現在の市場状況、潜在的な機会や課題についてのインサイトを与えます。これにより、成長分野を特定し、潜在的なリスクを発見することで、効果的な戦略を立案することができます。また市場トレンド調査は、顧客の嗜好、競合、経済や技術の発展に関する貴重な情報も提供してくれます。このようなトレンドをモニタリングすることで、企業は常に時代の先端を狙うことができ、利益につながる情報に基づいた意思決定を行うことができます。

例えば、昨今のトレンドであるChatGPT。これは、市場全体を変化させる、非常に破壊的なテクノロジーの一つです。なんと、市場投入後1週間で100万人以上のユーザーを獲得しました。これはまさに、定期的な市場トレンド調査が必要な対象の一つである好事例でしょう。

market trends analysis

どのように市場トレンド調査を行うのか?:新しい市場トレンドを表層化する方法は色々あります。消費者行動、経済動向、技術の進歩、競争環境などが、市場の動きに影響を与えます。法律の変更も、トレンドや変化に影響を与えることがあるでしょう。

業界のニュースや法改正に対して、常にアンテナを張っておくことは重要です。しかし、これらの情報から消費者心理の変化を知るのはむずかしく、最も効果的な方法ではないでしょう。

こういったニュースや法改正の調査は、顧客の態度やニーズ、そしてそれらが時間とともにどのように変化していくかを理解する一つの方法です。しかし、市場調査に役立つかはむずかしいところです。特に、リアルタイムの市場情報が必要な場合には、リアルタイム性を持ったデータソースを扱う必要があります。

市場分析例 | トレンド検出

Similarwebは毎日何十億ものデータシグナルを分析し、あらゆる市場、地域、個々の企業について、ゲームチェンジャーとなるようなインサイトを提供します。そこで、市場調査の方法として、Similarwebを利用して市場のトレンドを発見した実践例をご紹介したいと思います。

Wonderblyはパーソナライズされた書籍を提供するグローバル企業で、600万人以上の顧客にサービスを提供しています。ビジネスを成長させるために、定期的に市場調査を行っています。その一環として、Similarwebで季節ごとのトレンドキーワードを分析。何を発見し、それがビジネスにどのような影響を与えたのかを見てみましょう。

Keyword seasonality

Wonderblyは、自社の商品セットでは現在対応していない新興のカテゴリー(記念日や結婚式)に目をつけることができました。市場の季節的なトレンドを活用できたことに加え、より成熟した層が購入する書籍で69%の収益を達成し、同社のビジネスにとって全く新しい客層の獲得に繋がりました。

※参考記事:ワンダーブリーの市場分析成功事例

Step 4 – 競合調査

競合調査とは?競合調査では、市場における主要な業界プレーヤー、競合、新規参入社に関するデータを収集し、検討します。競合の活動や成功したアクションを分析・追跡することで、何がうまくいっているのか、どのように市場に参入しているのか、どのように顧客を惹きつけ、顧客維持するために競合が行なっている施策は何か…こういったマーケティング戦略を知ることができます。

なぜ、競合調査が必要なのか?:ビジネスの規模に関係なく、競合状況を理解することは重要です。ターゲットとする顧客は競合他社を知っており、自社と取引するかどうかを検討する前に、競合他社から購入することのメリットとデメリットを見極めています。競合調査を行うことで、自社の提供する商品を際立たせ、情報に基づいた価格決定を行い、ライバルに勝てるポイントを明らかにし、改善分野を特定することができます。

競合調査はどのように行うのか?:このプロセスでよく使われるフレームワークが、よく知られたSWOT分析です。SWOT分析では、競合他社がどのような製品をどのように市場に投入しているかをマッピングし、調査することができます。価格設定、ポジショニング、マーケティング、サービスなどを調査することで、市場における競合のデータを可視化できます。

SWOT分析を行うには、無料の競合分析フレームワークがおすすめです。追跡する競合を5社選び、各セクションに記入し、結果を分析して最大のチャンスを発見できます。

Step 5 – 戦略構築

何をするのか?:市場調査の結果を利用し、データに基づいた意思決定を行います。

なぜ行うのか?:これまでのステップを整理するためです。そもそも市場調査は、新しい市場を開拓したいがために行います。新製品や新サービスを市場に導入したい、既存企業を買収したい…など、目標が何であれ、得たインサイトとデータを有効に活用するために、戦略構築のフェーズでこれまでのステップを整理しましょう。

どのように行うのか?:ビジネスチャンスのポテンシャルリストを作成し、それぞれについて戦略を立てます。ここでは、プロジェクトのコストや時間枠に基づいて潜在的なアイデアを評価することもできます。それぞれの機会を明確にマッピングし、関連するコストや期間とともに、それらがもたらす潜在的な影響を理解し、どのアイデアを進めるべきか、短期的・長期的な視点から戦略的に考えます。

プロのヒント:市場のセグメンテーション、規模、トレンド、主な競合について収集したデータを記録し、把握し、見直すためにフレームワークを使います。ダウンロード可能な競合分析フレームワークからヒントを得ることができます。ただし、重要なのは、調査結果を体系的に記録し、定期的に見直すことです。

Step 6 – 市場をモニタリング

何をするのか?: 市場とその主要プレーヤーを把握し、時系列での変化をモニターします。

なぜ行うのか?:消費者の行動は、外的要因、あるいはその他の何かしらの影響を受けて変化し、結果的に市場が変化します。そのため、長期的な変化を常にモニターすることで、消費者と市場の変化に気づくことが重要です。

どのように行うのか?: Similarwebは市場をリアルタイムで俯瞰することができます。必要な時にいつでも、詳細なデータを抽出でき、市場の変化や競合の戦術を解明することができます。Similarwebを使えば、主要な成長指標、マーケティングチャネル、新興プレイヤー、トレンドトピックなどを追跡することが可能です。

how to do market analysis example

Similarwebのマーケット分析を使えば、マーケットリーダーや新規参入社を素早く特定することができます。ここで、Synchronyという追跡すべき会社を発見、飛躍的な成長(2700%)を見せる新興企業として、彼らの成功を調査することで、市場分析をさらに一歩進めることができます。

Similarwebは、ウェブサイトのトラフィックマーケティングチャネルオーディエンスデータ地域、オーガニック検索のインサイトなど、重要なインサイトを示します。優れた市場分析の一部として、台頭するプレーヤーを見つけ、成功しているプレイヤーの理由を解明するのに役立ちます。

まとめ

市場調査の結果を分析し、重要な戦略的決断を下すことはもちろんですが、経時的な変化を追跡できるかが、市場調査では鍵となります。Similarwebを使えば、市場のセグメント、サイズ、分析を素早く簡単に行うことができます。チャンスを発見し、パフォーマンスをベンチマークし、1ヶ月後や四半期後ではなく、その時々のシフトや変化をモニターすることができます。

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よくある質問

市場分析の4つのタイプとは何ですか?

市場分析の4つのタイプとは、市場セグメンテーション、市場サイジング、市場トレンド、競合分析です。

市場分析の5つの要素とは何ですか?

市場分析の5つの要素とは、顧客セグメンテーション、顧客ニーズとトレンド、競合他社、市場規模とトレンド、価格設定です。

良い市場分析とは?

良い市場分析には、正確で最新のデータ、明確な目的、徹底的な市場・顧客ニーズの分析が含まれるべきです。

市場分析はSWOT分析と同じですか?

いいえ、市場分析とSWOT分析は同じではありません。SWOT分析が組織の強み、弱み、機会、脅威を評価するのに対し、市場分析は顧客ニーズ、市場動向、競合他社などの外部環境に焦点を当てます。

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by Liz March

Digital Research Specialist

Liz Marchはコンテンツ制作の経験が15年あります。趣味はアウトドア、F1、読書で、環境科学の学士号を取得しています。

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