リサーチ
ニッチターゲットにアプローチし、コンバージョンを上げるマーケティング施策
私がこれまで経験した製品やサービスのポジショニング（それ以外でも）には、まずオーディエンスを知ることが優先されました。そして、それは理にかなっていると思いませんか？製品を改良するにしても、メディア戦略を立てるにしても、あるいはレモネードを売るにしても、ターゲットとするオーディエンスを深く理解する必要があるのです。
最近、私はこのアプローチに磨きをかけています。オーディエンス分析とは、通常、あなたのビジネスにとって最大かつ最良のオーディエンスを理解し、惹きつけ、より良いサービスを提供するためのものです。
ウェブサイトへの訪問者や製品の購入者を拡く把握することは重要ですが、ニッチなオーディエンスに焦点を当てることで、そのオーディエンスが貴社ビジネスに話題性を生んでくれ、収益を生み出すことに結びつきます。
そして業界内のニッチな市場が積み重なると、オーディエンスのロイヤリティ、エンゲージメント率、そして成長に大きな影響を与えることになります
ニッチなユーザーにアプローチし、長期的な効果をもたらす恒久的なユーザーに変える方法についてご紹介します。
まず、ニッチな層とは何でしょうか？
ニッチ市場とは、貴社ビジネスのメインターゲットのサブグループのことです。このユニークなグループは、広範な市場よりも独自のニーズや期待、そしてペインポイントと呼ばれる課題を持っています。
市場細分化のプロセスと同様に、市場をニッチなオーディエンスに分割することで、よりアプローチしやすくなります。大衆にアピールするのではなく、特定のグループに対して、よりキュレーションされたメディアや製品戦略を立てることができるのです。また、複数のニッチ層を定義すれば、それぞれの層に合わせたメッセージングが可能になり、施策の成功率がより高まります。
他の潜在的なオーディエンスから差別化できるニッチ項目を見つけたら、そこに焦点を当て、ターゲット層を広くとった場合に軽視されている可能性のある、彼らの特定のニーズやペインポイントに対応した独自の付加価値を提供することができます。このことを、ニッチ・オーディエンス開発の最前線に据えてください。
ターゲットを絞ったコンテンツから製品やサービスまで、ニッチなターゲティングを行うことで、その特定のオーディエンスにとって市場で一番の企業となり、専門知識と信用を築くことができます。一般的な読者とニッチな読者を分ける方法のいくつかを見てみましょう。
ニッチマーケティングのメリット
ニッチ戦略は、正しく行われた場合、マスマーケティングよりも効果的です。顧客満足だけでなく、ブランド認知度の向上や収益の増加も得ることが可能になります。
ブランド影響力の構築
ニッチ市場のオーディエンスをターゲットにする主な利点の1つは、競合が少ないことです。なぜなら、ほとんどの競合他社は、潜在的なユーザーの大きなプールに広く網を張って、様々な対象者をターゲットにします。しかし、多様なタイプに分けて市場セグメンテーションを行うことで、最終的にはより多くの見込み客を得ることができます。
また、ブランド・ロイヤリティを高め、顧客の囲い込みを図ることができます。自社製品やサービスに最適なオーディエンスを選べば、より集中したカスタマーサービスを提供できます。顧客のフィードバックに対応し、必要に応じて調整することも可能になります。より多くのオーディエンスを相手にしたとしても、すべてのオーディエンスを満足させることは難しいです。
ニッチなオーディエンスの口コミは、貴社への影響力を高めることができます。ソーシャルメディア上のミレニアル世代など、特に声が大きく、意見の多いニッチ層には、積極的なエンゲージメントという利点もあります。
収益の向上
ニッチなオーディエンスは、長期的視点ではマーケティングコストの削減につながります。ニッチの中でブランドが成長するにつれて、広告費が少なくなるだけでなく、よりリターンの大きい、的を絞ったPPCキャンペーンを行うことができます。
広い網をかける」という比喩は、ここでも当てはまります。複数の潜在的な聴衆にあなたの予算を分割するよりも、よりターゲットを絞ったグループに同じ金額を費やしています。特に、十分なサービスを受けていないニッチなユーザーをターゲットにすれば、より多くのクリックとコンバージョンを獲得し、長期的にROIを向上させることができます。
ニッチ市場に、市場のどこにも提供されていない特定のものを提供している場合、合理的な範囲で価格を上げる機会があります。
気をつけたい落とし穴
ニッチオーディエンスをターゲットにすることには複数の利点がありますが、すぐに飛び込む前に注意しなければならない注意点もあります。
- 競合が少ないのには理由があります： ターゲットとしているニッチ市場が、貴社ビジネスに利益をもたらすのに十分な大きさであることを確認してください。キャンペーンや製品のターゲットを絞れば絞るほど成功の可能性は高まりますが、リーチできる人数は本質的に少なくなります。ターゲットを絞った場合のコストと、潜在的なリターンや機会を比較検討する必要があります。
- 成長性の低下： ニッチなオーディエンスにリソースを集中させすぎると、より大きな成長機会を逃してしまう可能性があります。市場全体を把握することを忘れないようにしましょう。
- 強力なROIは保証されていない： 新しいデジタル戦略は常に多少のリスクを伴います。ターゲットとするニッチなオーディエンスにどれだけ投資するかについて戦略的に考え、ROIを注意深くモニタリングしましょう。
ニッチオーディエンスを見つけるには
ニッチオーディエンスのメリットはもうお分かりだと思いますが、自社オーディエンスをどうやって探せばいいのでしょうか？Google Analyticsをはじめ、オーディエンスを絞り込むのに役立つさまざまなツールがあります。
しかし、オンラインで起こっていることの全体像を把握するには、Similarwebリサーチインテリジェンスのオーディエンス分析ツールを使うのが一番です。例を挙げて説明します。
ニッチ市場の開拓と育成
一例として世界的な自転車メーカーが、都市型電子自転車を新市場に投入する、とします。ターゲット層についてある程度の想定はしているかもしれませんが、この新製品の発売を成功させ、認知度を高めるためには、次のようなことが必要になります。
- このニッチ市場はどのような特徴を持っているのでしょうか？(例えば、ある都市で、従来の交通手段よりも電気自動車を好むオートバイ愛好者など。）
- 競合他社はどのようにアプローチしているのか？
- どのチャネルが一番効果的か？
- オーディエンスと関わるタイミングはいつなのか？
ステップ1：オーディエンスの分類
まずは、獲得したいターゲットの理想的な顧客像を明らかにすることです。例えば、E-bikeを発売するのであれば、自転車通勤をしている人、仕事以外の趣味として自転車を楽しんでいる人など、自転車を使うニーズがある人と関わりたいと思うでしょう。
また、より環境に優しい製品を作りたいなど、ライフスタイルに関わる基準も考えられます。ネットで何を検索しているか、ソーシャルメディアに何を投稿しているかなど、さまざまな方法でオーディエンスをグルーピングして分類することができます。
例えば、キーワードリサーチを利用すれば、「健康的なスナック」に関連した検索キーワードのリストを作成し、これらのキーワードをグループ化して、基本的なオーディエンスプロファイルを作成することができます。
このリストがあれば、ターゲットとなるユーザーに関わるサイトの種類を特定し、検索ボリュームに基づいてアプローチ可能な総市場を特定し、時系列でトレンドを把握することができます。
ステップ2: オーディエンスの特定
次のステップは、競合他社を見ることによってこのオーディエンスを適格に判断し、特定することです。同じく「健康的なスナック」の消費者をターゲットにしているウェブサイトを検索し、その人口分布（デモグラフィック）を調べます。また、このリストを拡張して、視聴者が比較対象としてクロスブラウズする類似のサイトを調べれば、彼らが習慣としてアクセスするオンラインメディアをより詳細に把握することができます。
ステップ３：ニッチオーディエンスの継続的なモニタリング
最後に、すべてをまとめてダッシュボードを作成し、「健康的なスナック」を求めるユーザーを長期にわたってモニタリングすると同時に、他のユーザー・プロファイルを構築することが可能です。
Similarweb内の「健康的なスナック」のトラッキングダッシュボードのニッチなオーディエンスの例をご紹介します。検索ボリュームの合計数（これはアプローチ可能な総市場の潜在的な合計数です）、トラフィックシェアの合計数（これはトラフィックとエンゲージメントの経時変化を示します）、およびオーディエンスのデモグラフィックを見ることができます。さらに、競合のオーディエンスが変化しているかどうかをモニタリングすることもできます。
ニッチなオーディエンスを定義する方法についてはSimilarwebが提供している無料オーディエンス分析ツールを試してみてください。下記では英語でのウェビナーを紹介しています。
ニッチオーディエンスに関する質問への回答
ニッチなオーディエンス（客層）とは？
ニッチ市場とは、主要なターゲットのサブグループのことです。独自のニーズ、期待値、課題や関心・興味対象を持っています。
ニッチな顧客層を定義するには？
オーディエンス分析を行い、まず主なターゲットとなるオーディエンスを定義します。そこから、特定の特性、人口統計、嗜好、ニーズに基づいて、市場をさらにセグメント化します。デジタルインテリジェンスを使用してデータをさらに深く掘り下げ、オーディエンスロイヤリティ、興味のある検索対象、他サイトへのブラウジング行動などの項目を追加します。
ニッチな層をターゲットにすることのメリットは？
ニッチオーディエンスのマーケティング戦略を上手に活用することで、長期的にはブランドの認知度向上や利益向上につながる事が期待できます。
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