【徹底分析】コロナ禍の終息で飛行機需要はどのように変化したか?
2022年以降、コロナワクチンや検査パッケージ制度の普及により外出規制が緩和され、生活者の旅行需要は大きく変化しました。
世界各国の入国規制緩和の影響で、国際線の出航数も回復傾向にあります。
また、昨年、政府が実施を開始した全国旅行支援も影響して、今夏も高い旅行需要が継続することが予想されます。
今回は航空券予約/検索サイトの最新トレンドを分析してみました。
Skyscannerやトリップドットコム等、各ウェブサイトでのトラフィックがどのように変化しているのかを調査し、旅行者によるフライト検索の新たな動向に迫りたいと思います。
トラフィックトップはSkyscanner。この1年でカテゴリシェアは+5%拡大
シミラーウェブには、特定の業界や領域に属する複数のサイトの動向をまとめて分析できるカスタムカテゴリという機能があります。この機能を活用して主要な航空券予約/検索サイトのカスタムカテゴリを作成し、トラフィック上位10サイトの動向をまとめたのが下のチャートです。
最も大きなトラフィッックシェアを獲得しているのはSkyscannerで、2023年4月時点で全体の53%のシェアを獲得しています。また、2022年12月以降で、10サイト全体のトラフィックが、大きく伸びていることがわかります。
航空券予約サイトへの訪問数(22年5月〜23年4月、デスクトップ)
- 2022年12月以降、カテゴリ全体のトラフィックが大きく伸びており、同年12月から翌年1月にかけて+40%の成長率を示しています。
- Skyscannerがカテゴリトップのトラフィックを獲得しており、2022年5月と2023年4月を比較すると、トラフィックシェアを+5%拡大しています。
航空券検索トップページへの訪問数は、Skyscannerが一人勝ち
次に、上位サイトの中から、Skyscanner、NAVITIME Travel、トラベルコ、さくらトラベル、トリップドットコムの5つをピックアップして、各サイトの航空券検索トップページのトラフィック推移を調べました。
各サイトの航空券検索トップページ訪問数(21年4月〜23年4月、デスクトップ)
- Skyscannerは2022年2月以降トラフィックが急拡大しており、2023年4月の時点では他4サイトに大きく差をつけている状況がうかがえます。
- トリップドットコムは2022年前半までは比較サイトの中で最後尾でしたが、徐々にトラフィックを伸ばし、2023年4月の時点では3番手まで順位を上げています。
トラベルコは、ビッグ検索キーワード経由の流入トラフィックで競合をリード
続いて、各サイトのオーガニック検索キーワードからのトラフィック獲得状況を分析しました。
指名検索(ブランドキーワード)を除外した直近1年間の人気キーワードTOP20を見てみると、「航空券」「格安」「旅行支援」を含むキーワードが多いことがわかります。
オーガニック検索ワードランキング(22年5月〜23年4月、デスクトップ)
※指名検索ワードは除外
- 「航空券」「格安」が含まれる検索キーワードでは、skyscanner、さくらトラベル、トラベルコの3サイトがトラフィックシェアを奪い合っており、NAVITIME Travelやトリップドットコムはこれら検索ボリュームが大きいキーワードからのトラフィック獲得で機会損失をしています。
- 「旅行支援」が含まれる検索キーワードでは、トラベルコとトリップドットコムがトラフィックシェアを独占し、両者でトラフィックを奪い合っています。
トリップドットコムは、アフィリエイト広告で旅行ガイドサイトに自社ページへの導線を設置
最後に、各サイトのウェブ広告の利用状況を調査しました。
5サイトの中では、SkyscannerのみがCriteo(リターゲティング広告)を利用し、トリップドットコムはA8.netやValueCommerceなどのアフィリエイトメディアへの依存度が高いことがわかります。
各サイトへの送客上位のアドネットワーク(22年5月〜23年4月、デスクトップ)
ValueCommerceにおける上位送客元メディア(22年5月〜23年4月、デスクトップ)
- Skyscannerは、Criteo経由のトラフィックで、比較した他4サイトに対してシェアを独占しています。
- トリップドットコムは、ValueCommerce(アフィリエイト広告)を利用して、Travelers Navi(travelersnavi.com)等の旅行ガイドサイトから自社サイトに遷移する導線を設置していることがわかります。
まとめ
今回は主要な航空券予約/検索サイトのトラフィック推移や集客のためのウェブ施策の一端を明らかにし、どのようなインサイトが得られるのかをご紹介しました。この分析アプローチは、他業界のECサイトやCPGメーカーでも、自社の競争力を引き上げるために活用できるものです。
今回データを取得するために使用した、カスタムカテゴリ、トラフィック分析、オーガニック検索キーワード分析、ディスプレイ広告分析の各機能について、さらに詳しい情報を知りたいという方は、弊社までご連絡ください。シミラーウェブプラットフォームの実際の画面をご覧いただきながら、ご説明させていただきます。
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