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イベント実施手段の選択肢として存在感を増すオンラインイベントプラットフォーム

イベント実施手段の選択肢として存在感を増すオンラインイベントプラットフォーム

2020年に入りコロナウイルスの影響が各方面に広がりだしてから、弊社でも新型コロナウイルスの主要業界インパクトレポートという形で、影響が大きいと思われる業界について定点観測レポートを出してきました。初版発行から半年を迎えた今日、イベントとエンターテインメント業界に焦点をあてて、半年間の動きを振り返っていきたいと思います。

イベントとエンターテインメント業界、2020年の動向

以下の棒グラフは、前述の「新型コロナウイルスの主要業界インパクトレレポート」の「イベントとエンターテインメント」カテゴリでトラフィックの多いウェブサイトを、で2020年1月から8月まで定点観測し、1月のトラフィックに対して該当月の成長率をグラフにしたものとなります(1月のデータは2019年12月との比較となります)。例えば、8/1までの1週の値が前の2ヶ月の値を上回る場合、該当カテゴリのトラフィックは同月内で上昇(あるいは回復)傾向にあると言えます。

「イベントとエンターテインメント」カテゴリでトラフィックの多いウェブサイトを2020年1月から8月まで定点観測し、1月のトラフィックに対して該当月の成長率をグラフで示したもの

イベントチケットを取り扱う、t.pia.jp、eplus.jp、l-tike.com、t.livepocket.jp、 ticket.rakuten.co.jp、ticket.co.jp、ticket.st、7ticket.jp は、1月こそ12月よりトラフィックを増やしているサイトもいくつかありましたが、2月以降はダウントレンドが表れ始め、緊急事態宣言が発令された4月からは下降幅が大きくなっています。緊急事態宣言が解除された6月以降は、緩やかな回復の兆しは見え始めていますが、まだ1月と同レベルまでのトラフィックには至っておりません。

国内プロスポーツでも有観客試合が始まり、営業を再開した遊興施設も出てきましたが、トラフィック回復の切り札とはまだなっていないようです。

影響力を増すオンラインイベント管理プラットフォーム

明るい動きが見えないサイトが多い中、peatix.com が6月から上昇トレンドに入り、1月との比較で50%以上のトラフィック増となったことが分かります。Googleで「peatix」と検索してみると、検索スニペットにはこのように書かれています。

“イベント、セミナー、音楽ライブなど様々なシーンで活躍する、集客に強いグループ・イベント管理サービスです。同じ興味・関心を持つ人が集まるグループ機能や、日本最大級のグループ・イベントアプリで、主催者と参加者をつなげます。”

イベント集客、管理に力を入れるサービスであることが分かりました。また、peatix.com サイト内を回遊してみると、最近はオンラインイベントに関するコンテンツの充実化を進めており、オンラインイベントへの対応にも力を入れていることが分かりました。

どうやら、オフラインイベントを開催するのはまだまだ難しそう、ということから、オンラインイベントに活路を見出そうとする事業者が増え、その結果として peatix.com へのトラフィックが増えてきたのではないかと仮説立てることができます。

ここからは、シミラーウェブのウェブサイト分析を使用して、peatix.com について見ていきたいと思います。

peatix.comの日本国内での直近12ヶ月のトラフィック推移

日本国内での、直近12ヶ月のトラフィック推移を見てみると、4月以降、上昇傾向にあることが分かります。そして5月から6月にかけて大幅に数字を伸ばしており、デスクトップは6月は前月と比較して129.69%、モバイルは6月には前月比84.20%の伸びとなっています。また、モバイルからの流入が多いのも大きな特徴です。

続いて、同じく日本国内の直近12ヶ月のトラフィックを、デスクトップのマーケティングチャネル別に見てみましょう。

peatix.comの日本国内での直近12ヶ月のトラフィック推移をデスクトップのマーケティングチャネル別で表示4月以降、ダイレクトトラフィックが大幅な伸びとなっています。また、メール、リファラル、ソーシャルメディア、オーガニック検索も、4月以降トラフィックを増やしています。

peatix.comの年間を通じての流入チャネル比率(デスクトップ)

年間を通じての流入チャネル比率は、ダイレクトが48.43%と過半数近くを占めており、次いでオーガニック検索の18.47%、ソーシャルメディアの18.10%となっています。

2番目に流入数の多い、オーガニック検索の動きを掘り下げてみましょう。期間は、トラフィックが増え始めた2020年4月から7月までの4ヶ月で絞り込んでみました。

peatix.comにおける2020年4月から7月までの4ヶ月間における上位検索キーワードとトラフィックシェア

「peatix」や「ピーティックス」という、社名やその打ち間違いの検索キーワードや、peatix.com を使用して集客の行われたイベント名に関連するキーワードが名を連ねる中、「オンラインイベント」というキーワードが14位に登場しました。リアルでのイベント開催はまだ難しいが、オンラインでイベントを開催できないか。そのような悩みを持ったユーザーが、「オンラインイベント」というキーワードで検索し、peatix.com にたどり着いたものと思われます。

「オンラインイベント」というキーワードでユーザーは何を探し求めているのか

最後に、「オンラインイベント」関連のキーワードでユーザーはどんなサイトに行っているのかを、キーワード生成ツールを使用して探っていきたいと思います。

まず最初に、以下条件でキーワードリストを生成しました。

  • シードキーワード: オンラインイベント
  • 国: 日本
  • 期間: 2020年4月-7月
  • デバイス: デスクトップ

その結果、フレーズ一致で39件、関連キーワードで68件の候補が生成されたので、シードキーワードの「オンラインイベント」と、フレーズ一致の39件の候補、関連キーワード68件、合計108のキーワードでキーワードリストを作成しました。

「オンラインイベント」をシードキーワードとするキーワードリストに対するトラフィック推移と上位サイト

直近12ヶ月のデータを見てみると、peatix.com 単体よりもひと足早く、2020年3月からトラフィック上昇の兆しを見せています。

「オンラインイベント」をシードキーワードとするキーワードリストに対するトラフィックを獲得している上位サイト

トラフィックを獲得しているサイトを細かく見てみると、ニュースメディアやオウンドメディアなど、記事コンテンツ系サイトが上位に並び、今回のキーワード調査の起点となった peatix.com は20位となっています。各ドメインの横にある [Destination URL] セクションからは、各ドメインで「オンラインイベント」というキーワードグループから1番多くのトラフィックを獲得したページを確認することができますが、多くは「オンラインイベント・オンラインセミナーの開催方法」「オンライン会議とオンラインセミナーの違い」「オンラインイベントとリアルイベントの違い」といった、How To系のコンテンツとなっています。

コロナウイルス危機以降、オンラインイベントを実施する事業者、個人も増えてきているものとは思いますが、初めて実施するユーザーにとっては、何をどのように準備したらいいのか、分からないことも多いかと思います。そのようなユーザーにとって、オンラインイベントの進め方について言及している記事は、非常に有益と思われます。今後は、単に実施方法に触れるだけではなく、自分たちで実際にオンラインイベントを実施してみてうまく行った点や、課題点・反省点も記載した、準備方法+体験事例、といったコンテンツが増えていくのではないかと考えられます。

まとめ

「イベントとエンターテインメント」カテゴリの分析をスタート地点として、

  • peatix.com の動き
  • 「オンラインイベント」関連キーワードの動向

を見てきました。今回の分析を通じて以下の点が見えてきました。

  • イベントチケットを取り扱うサイト群は2020年以降、厳しい局面が続いている
  • オンラインでイベント管理を行える peatix.com は2020年4月以降トラフィックを増やしており、特にダイレクトでの流入が目立つ
  • 「オンラインイベント」関連キーワードでは、実施方法やサービスの選定といった、How To系コンテンツへの流入が目立つ

今回取り上げた急激に話題となっている「オンラインイベント」に限らず、他の新規トピックや、既存の商材・サービスに関しても、実施にあたって必要な道具や手順を知りたい、といったユーザーのニーズは一定数あるのではないかと予想されます。もしこれまでに蓄積された知見があるようでしたら、その情報を公開してお客様へのサイト流入を増やす、という取り組みをされてみてはいかがでしょうか。

引き続きこちらのブログでは、シミラーウェブを活用して得られたインサイトを提供していきます。

 

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by Masayuki Suzuki | 鈴木 雅之

クライアントサクセスエンジニア

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