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【徹底分析】ペット用品販売をリードするECサイトのウェブ戦略とは?

【徹底分析】ペット用品販売をリードするECサイトのウェブ戦略とは?

経済産業省の『ペット産業の動向 -コロナ禍でも堅調なペット関連産業-』によれば、ペットやペット用品販売額は2019年以降で大幅な増加傾向を示しており、コロナ禍においてペット需要に拍車がかかったとの分析結果が提示されています。

2022年以降は外出の規制緩和が進むなど、人々の生活形態は以前に戻りつつありますが、オンラインでのユーザー行動はどのように変化したでしょうか。

今回はペット用品を販売している主要なECサイトの、2021年-2023年の2年間のトラフィック推移を探ってみました。さらに、シミラーウェブを使って、大手ペット用品ECサイトではどのようなウェブ施策を実施しているのかを見てみます。

子猫の繁殖期である春は、ペット用品サイトのトラフィックが増加

まず初めに、ペット用品ECサイトのカスタムカテゴリを作成し、業界全体のトラフィックトレンドを確認します。下の図は、業界上位10サイトのトラフィック推移を示したものです。

ペット用品ECサイトへの訪問数(21年1月〜23年1月)

 

  • 直近2年間のトラフィック推移では、2021年や2022年の春は業界全体のトラフィックボリュームが増える傾向が見えました。 春は子猫の繁殖期間であることから、関連商品の購入目的でサイトへのアクセス数が伸びている可能性が考えられます。
  • 21年後半以降は、それ以前と比較して全体のトラフィックが減少しました。「まん延防止等重点措置」の終了に伴う外出規制の緩和により、飼育者の生活様式が変化した影響で、ペット用品の需要が抑制されたことが要因として考えられます。

ペットゴーは有料検索トラフィックで競合をリード

次に上位ECサイトの中から、ペピイ(peppynet.com)、ペットゴー(petgo.jp)、ペットショップのコジマ(pets-kojima.com)の3サイトを取り上げ、各社のウェブ施策とその特徴について見ていきましょう。

下記は3サイトのマーケティングチャネル別のトラフィックボリュームを比較したものです。

大手ECサイトにおけるチャネル別のトラフィックボリューム(21年1月-23年1月)

  • peppynet.comやpets-kojima.comはオーガニック検索のトラフィックが多く、 知名度の高さによるブランド名検索によるサイト流入が多いことが推測されます。
  • それに対して、petgo.jpは有料検索からの流入が多く、かつ年間を通してみると毎年春の流入数が比較的多いことがわかります。調べてみると、子猫の繁殖期におけるユーザー需要を想定したPPCキャンペーンを実施していることがわかりました。

ペットショップのコジマはブランドワード流入数で競合を圧倒

前記の通り、オーガニック検索トラフィックでは、peppynet.comとpets-kojima.comがpetgo.jpを大きくリードしていることがわかりました。そこで検索ワードを3サイトで比較してみると、下記の結果となりました。

大手ECサイトのオーガニック検索ワードランキング(21年1月-23年1月)

  • ペピイ(peppynet.com)やペットショップのコジマ(pets-kojima.com)は知名度が高く、ブランド名検索によるトラフィックが多いことが、この結果から明らかです。
  • 特に「コジマ」を含む検索ワードが上位12位のうちの半数を占めています。

ペピイはペット用品購入や飼育情報を求める検索ワードトラフィックでペットゴーをリード

次もオーガニック検索ワードの分析ですが、ブランド名検索が多いpets-kojima.comを外して、peppynet.comとpetgo.jpにおける非ブランドオーガニック検索ワードを抽出し、分析してみました。するとキーワードは、大きく分けて「ペットの飼育時に必要な情報を探すキーワード」と「ペット用品の購入目的で使われるキーワード」に大きく分類できることがわかりました。

peppynet.comとpetgo.jpの上位検索ワード(21年1月-23年1月)※ブランド名は除外

  • 「猫 撫で方」「犬アレルギー」「犬 爪切り やり方」などのペットと接する際に必要な情報を探していると見られるキーワードからの流入は、peppynet.comがほぼ独占しています。
  • 一方、ペット用品の購入目的で使用される検索ワードでは、「フロントライン(ノミ・マダニの駆除薬)」に関連するものはpetgo.jpはトラフィックを独占し、その他の「ペット用品 通販」「猫用品」等のビッグワードでは、peppynet.comがトラフィックシェアでリードしています。

ペットゴーはペット栄養食や食事療法食の販売ページへの集客で有料検索に投資

マーケティングチャネル分析で、petgo.jpは有料検索からの流入が多いことがわかりましたが、もう少し深掘りしてみましょう。以下は、petgo.jpにおける有料検索のLP(ランディングページ)ランキングです。

petgo.jpへ有料広告経由で流入するLPランキング(22年11月)

  • petgo.jpが直近で配信している有料広告のランディングページを調べたところ、TOPページを除く2位以下の上位ページは栄養食、療法食を販売するブランドサイト一覧ページ、また定期購入用の登録ページでした。

ペットゴーはA8.netで広告を配信し、ポイントサイトからトラフィックを獲得

本稿の最後に、3サイトのディスプレイ広告からのトラフィックを確認した結果をご紹介します。3サイトのいずれもそれほど多くの獲得トラフィックはありませんが、GDNやアフィリエート系アドネットワークのA8.netの活用が確認できます。

GDNの活用ではpetgo.jpとpeppynet.comがほぼ同じボリュームのトラフィックを獲得し、A8.netからの獲得トラフィックではpetgo.jpが大きくリードしています。

アドネットワーク別のトラフィックシェア

A8.netのアドネットワークの上位パブリッシャー

  • peppynet.comは唯一Criteoを利用したリターゲティング広告経由でのトラフィックを獲得しています。
  • petgo.jpとpeppynet.comはアフェリエイト広告(A8.net)を利用しており、中でもトラフィックシェアの高いpetgo.jpは、多くのポイントサイト(パブリッシャー)からトラフィックを獲得しています。

まとめ

今回はペット用品ECサイトに絞って、主要なプレーヤーの集客戦略の方向性や具体的な施策を明らかにし、そこからどのようなインサイトが得られるのかをご紹介しました。このアプローチは、他のカテゴリのECサイトやCPGメーカーが、自社の競争力を高めることができる可能性を明らかにする場合に活用できるものです。

今回データを取得するために使用した、マーケティングチャネル分析、キーワード分析、有料検索分析およびディスプレイ広告分析の各機能について、ご興味をもっていただき、さらに詳しい情報を知りたいという方は、弊社までご連絡ください。実際の画面をご覧いただきながら、ご説明させていただきます。

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