国内サッカーファンは普段どのメディアを使っているのか?
近年、海外での活躍が目覚ましい日本人サッカー選手が増え、国内サッカーファンの関心も高まっています。
また、2022年に行われたカタールW杯での快進撃や決勝トーナメント進出の快挙を果たしたことで、サッカーメディアの利用状況も大きく変化しています。
本記事では、サッカーコンテンツを配信している主要メディアを調査し、国内サッカーファンの嗜好や直近でアクセスを集めている人気記事を通じて、利用実態を明らかにします。
試合速報や海外情報に重点を置くメディアが直近1年でトラフィックシェアを増加
シミラーウェブには、特定の業界や領域に属する複数サイトの動向をまとめて分析できるカスタムカテゴリという機能があります。またサイト単位ではなく、ディレクトリ単位やページ単位で分析が行えるセグメント分析という機能もあり、今回選定した新聞社サイトにおいては、サッカーニュースに関連するページに限定してデータを抽出しました。
以下キャプチャは、直近12ヶ月間での主要サッカーメディアのトラフィックデータまとめたものです。
各サッカーメディアのトラフィック推移とシェア(22年6月〜23年5月、デスクトップ)
- 2022年11月-12月の期間に主要サッカーメディア全体のトラフィックが急増しました。これは、同時期に開催されていたカタールW杯の影響で各サイトへのアクセスが増加したことが要因として考えられ、10月から12月にかけて全体で210%のトラフィックが増加しています。
- 直近12ヶ月の主要サッカーメディアのトラフィックシェアは、サッカーダイジェストWebが5%、GOALが2.5%とそれぞれシェアを拡大した一方で、JFAは4%以上シェアを落としています。
海外リーグ開幕・終盤期やJリーグ終盤期には、アクセスのスパイク(急上昇)が見られる
次に、上位サッカーメディアの中から日刊スポーツを選定して、サッカーニュース記事のカテゴリ別トラフィックを調査してみました。
日刊スポーツのカテゴリ別トラフィック推移(20年6月〜23年5月、デスクトップ)
※「その他」には、国内外のサッカーコラムや写真ページデータが含まれる。
- 「海外リーグ開幕」「海外リーグ終盤」「Jリーグ終盤」期間は総じてトラフィックが伸びる傾向が見られます。
- 2022年11-12月の期間は、カタールW杯本戦の影響でJリーグが一時休止となり、前年までのトラフィック拡大傾向は見られませんでした。
- カタールW杯予選(2021年3月-22年3月)が終盤に差し掛かるに連れて、トラフィックの拡大傾向が見られます。
- カタールW杯本戦期間(2022年11月-12月)は、トラフィックが著しく上昇しています。
各サイトの主要流入チャネルはリファラル・オーガニック検索
続いて、4つの主要メディア(サッカーダイジェストWeb、GOAL、ゲキサカ、超ワールドサッカー!)をピックアップし、各サイトがマーケティングチャネル別に獲得しているトラフィックの割合を分析しました。
またオーガニック検索経由のトラフィックシェアが50%近いメディアもあるため、オーガニック検索について掘り下げて、各サイトがどの検索ワードからトラフィックを獲得しているのかを調査しました。
各サッカーメディアのマーケティングチャネル別トラフィックシェア(上)、上位オーガニック検索ワード別のトラフィックシェア(下)(22年6月〜23年5月、デスクトップ)
- サッカーダイジェストWebと超ワールドサッカー!はリファラル経由から、またGOALとゲキサカはオーガニック検索経由のチャネル依存率がそれぞれ高く、各サイトでユーザー獲得チャネルが異なることがわかります。
- 上位オーガニック検索ワードの中では、「サッカー選手名」の検索ワードについて各サイトでシェアの奪い合いが発生しています。一方、「大会/イベント名」の検索ワード群では、GOALが他サイトを大きくリードしています。「チーム名」の検索ワード群では、代表チーム名ではゲキサカのシェアが多く、クラブチーム名ではGOALが優位に立っています。
サッカーダイジェストWebの上位記事の1/3は「三笘薫」選手の関連ニュース
次に、直近3ヶ月にサッカーダイジェストWebでアクセスの多かった記事を調べ、人気を集めているページの傾向を探りました。
サッカーダイジェストWebでアクセスの多いニュース記事(23年3月〜5月、デスクトップ)
- アクセス数上位15の記事の中で、「三笘薫」選手に関するニュースが1/3を占めていました。これらのニュースは直近に行われていたリーグ戦での活躍に関する情報が中心となっています。
- 「女子サッカー」に関する記事も注目度が高く、上位ページに多くランクインしています。該当ページの多くは海外女性プレーヤーの水着写真に関する記事であり、エンタメ要素の強い記事へのアクセスが集中していることが伺えます。
- その他個人を特定した記事では、「イニエスタ」選手に関する記事への注目が集まっています。
AbemaはカタールW杯中に無料視聴キャンペーンを実施し、アプリDL数が増加
最後にAbemaに焦点を当て、有料検索、ディスプレイ広告経由での直近12ヶ月のトラフィック推移と、同時期のアプリダウンロード数の推移を調べました。
シミラーウェブでは、各マーケティングチャネルやスマートフォンアプリのトラフィック推移を調査することも可能です。
直近12ヶ月のAbemaアプリダウンロード推移
- Abemaの各広告経由のサイトトラフィックは2022年11月-12月の期間で著しく増加し、同様にGoogleアプリストアからのアプリダウンロード数も急増しています。
- 同時期に配信されていたAbemaの検索広告、ディスプレイ広告を見ると、カタールW杯の全試合生放送キャンペーンを実施していたことがわかりました。
まとめ
今回は主要な新聞サイトを含むサッカーメディアのトラフィック推移や人気記事などを明らかにし、どのようなインサイトが得られるのかをご紹介しました。この分析アプローチは、他業界のECサイトなどでも、自社のWeb施策を改善するために活用できるものです。
今回データを取得するために使用した、カスタムカテゴリ、トラフィック分析、オーガニック検索キーワード分析、検索広告分析、ディスプレイ広告分析、アプリ分析の各機能について、さらに詳しい情報を知りたいという方は、弊社までご連絡ください。シミラーウェブプラットフォームの実際の画面をご覧いただきながら、ご説明させていただきます。
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