【株式会社ファンコミュニケーションズ】ASP事業におけるSimilarwebの使い方。そして、4年間に渡る長期契約締結の理由とは?
「変化の激しい広告業界において競合のASPに先じてお客様へ提案を行うには、全現場担当者に分析の権限を持たせる形の全社導入の必要がありました。」
オンラインでの販促を拡大したい広告主様と、広告掲載を基に収益を獲得したいメディア様向けのアフィリエイトASPプラットフォーム「A8.net」を展開している、株式会社ファンコミュニケーションズ。
今回、Similarwebと新たに4年間の長期契約を結びました。
その背景、またASPにまつわる事業において新規営業、コンサルティング、そしてメディア向け支援と幅広く使って頂いている同社にその使い方と成果を伺いました。
BtoBの営業、SEO、そして広告に携わる仕事をしている全ての方々必見のHow to をご紹介します。
ASP事業におけるSimilarwebの使い方
━━━御社の事業内容を教えてください。
オンラインで販促や事業拡大にチャレンジをしたい広告主様と広告掲載を基に収益を得たいメディア様のマッチングプラットフォームを展開しています。
事業内には様々なチームがあり、インタビューに回答させていただくチームは「新規開発部」「コンサル部」「メディア部」の3チームです。それぞれのチームで、Similarwebの利用方法および使用人数は異なります。
━━━チーム毎の役割、及びSimilarwebをどのようにご利用されているのか教えてください。
【新規開発部】
新規開発部は、新規顧客開拓と新規取引先の開拓を担う組織です。チームのうち、60名ほどがSimilarwebのアカウントを活用しています。
具体的には、下記のような使い方をしております。
- 「類似サイト」機能を用いて、ターゲットとなる広告主のリストアップ
- 商談時に訪問数や獲得チャネルのデータを用いた提案
- 訪問数を分析し、アプローチリストの優先順位を決定
- 競合ASPサイトのコラムからオーディエンスやキーワードを分析(マーケティングチームと併用)
我々は新規顧客開拓のチームであり、ポテンシャルのある広告主からA8を選んでいただく必要があります。
課題として、これまでそういった見込み顧客を正解に近い形でグルーピングできていませんでした。
Similarweb導入後は区分けに成功、ユニークユーザー数やページビュー数などのA8と広告主の相関性高い指標を活用し、効率的に新規提案の対象サイトを見つけています。
具体的には自分たちでリストアップ、アポイント獲得に励む営業の成果が、Similarwebを用いてリスト化するようにしたことで、アポイント獲得率が2%から10%以上と、5倍に高まったというデータがあります。
リストの作り方については、もともと、各企業のカートシステムごとにリスト化、それをCRMに全て入力後、弊社ではCRMとSimilarwebを連携させ、トラフィックに基づいてリストの優先順位を決定しています。これにより、非常に効率良くリスト化できています。
またリストアップの速度は、Googleなどで行う検索作業よりも数十倍、場合によっては100倍の速度で、一瞬で多くのリストを作ることができるようになりました。
さらに商談の際には、顧客のカテゴリーごとに事前情報を用意しています。Similarweb導入以前も行っていましたが、同じ作業工数が以前と比較し半減しました。
【コンサル】
コンサル部署では、既にA8netを導入している広告主に対して、最適なプランニングを提案し、売上の拡大を図る部署です。この部署では、40名から50名ほどがSimilarwebを利用しています。
下記の様な使い方をしております。
- クライアントへの提案に際し、競合ASP経由のパブリッシャーを分析した広告プランニングを実施
- 競合ASP・ディスプレイネットワークの運用状況や注力状況を把握
- クライアントの競合サービスと比較し、年間のトラフィック増減を確認し状況を共有。また、新たにベンチマークする企業を定める。
- クライアントの情報を前もって調査が可能。オーガニックキーワード・サーチの出稿キーワードを事前把握しておくことで、無駄なヒアリングが無くても入り込んだ提案が行える。
- オーディエンス≒デモグラ情報が分かるのも魅力的。
コンサルではクライアントへの提案に際し、競合のASPのパブリッシャーを分析し、広告プランニングを行っています。
競合ASPやディスプレイネットワークも競合に含まれるため、運用状況や注力状況を事前に把握できることは非常に重要だと考えています。
手順としてはまず、クライアントの競合と思われるサービスとの比較を行い、年間のトラフィックの増減を確認し、状況を部内で共有します。そして、新たなベンチマークとなる企業を定めたり、方針を策定する際にSimilarwebを活用しています。
クライアントの情報を事前に調査できることで直接ヒアリングをする前に、施策や戦略の立案、広告のフィルタリングを社内で行うことができます。
特にオーガニックキーワードや検索キーワード、出稿キーワードを把握しておくことで、無駄なヒアリングを避け、クライアントに合ったメディアを提案できるため、Similarwebを非常に重宝しています。
【メディア】
メディアチームでは、A8netに登録しているメディア会員の中でも、特に接点の多いメディアを中心に対応し、コンサルティングや新規の接点獲得を担当しています。基本的には、20名弱のスタッフ全員がSimilarwebを利用しています。
下記のような使い方をしております。
- 「類似サイト」機能を用いて、開拓先となる広告出稿メディアのリストアップ
- 担当サイトのSEO集客キーワードの把握 ⇒ 新規掲載・新ジャンル参入提案
- 担当サイトの他ASPシェアの把握 ⇒ メディアに対するコミュニケーション戦略の再設定・改善
- メディアさまにヒアリングしきれない情報・直接聞きにくい情報取得の補助。
- 事前把握によるA8.netのメディア担当者への信頼感の醸成。
メディア部門では、メディア様の新規開拓とA8.netを既にご利用いただいている既存メディア様向けコンサルの両方の機能を内包しています。
新規メディア開拓では、広告を出稿しながら集客するメディアに対して、従来は人の目を使ったリストアップを行い、アプローチしていました。
今ではSimilarwebの有料検索の競合検索機能を使うことで、同じリスティングを出しているメディアをリストアップし、出稿されているキーワードまで把握することができるため、アプローチを効率化できています。
また既存メディアへのアプローチでは、SEOの領域でどのようなキーワードで集客できているかを把握し、A8.netのプログラムを提案する作業や、リスティングでも同様のことができます。
さらにどのキーワードで成果が出ているかを把握し、別のメディアにも横展開で提案するなどの応用も行っています。
メディア側はどのASPとのお付き合いが多いかという情報は聞きにくいことがありますが、マネタイゼーションネットワークや送客先の広告主を見ることで、現行のプロモーション状況を把握できます。
これを活用し、コミュニケーション戦略ではないですが接点を持っていく最適化や改善に役立てています。メディアには聞けない情報を裏取りし、営業改善に繋げています。
また、弊社では一部の専門部署や、マネージャーといった特定の担当者のみならず、日々広告主様やメディア様と向き合っている全ての営業担当者にアカウントを付与するという決断をしました。
背景として、特に直近の広告業界は変化が激しく、よりスピード感を持ってお客様へ提案を行うことのできたASPが勝つという、ある意味シンプルな構造になってきていると感じます。
顧客向きの担当者から他の担当者へ分析を依頼して、それを戻してもらうという手続きが発生すると、そのスピード感を実現するのは到底不可能です。それぞれの営業担当者が自走しながらそれをできるようにするには、初めは慣れなくても無理矢理にでもそれぞれの担当者に分析の権限を持たせる必要があると思いました。
Similarweb導入による成果
━━━Similarweb導入により、これまでにどのような成果が挙がりましたか?
【新規開発部】
下記のような成果が出ています。
- 「類似サイト」の機能を用いて約2,000程のリストアップ。自然検索で類似サイトを探すよりも数十~百倍の速度
- ウェブサイト分析で選定したリストのアポ率が大幅に向上。一般のリスト2%、選定したリスト10%以上の高水準。
- 様々なツールを一元化したサービスの為、業務の効率化に貢献。事例や想定の作成時間が半減。
リストアップの効率向上による工数削減と、アポ獲得率が向上したことによる商談数増加への寄与が大きいです。
【コンサル】
下記のような成果が出ています。
- 広告主側で獲得の軸となる一般キーワードを増やしたいが、メインのキーワード以外に広げられないという課題があった。その際、競合が実際に流入元となっているキーワード・PPCへ出稿しているキーワードをアフィリエイトメディアで提案。実際に月間100件規模の獲得まで至った。
- 目視で確認が行える運用系のサイトには限界があったが、Smilarwebを用いて新たな配信サイトを確認できることがあった。ここに掲載の相談が行う事ができ、新たに月間100CVの増加につながった。
例えば、広告主が掲載しているPPCメディアを分析し、定常的に良いROASを得ていると推測される場合、似たようなメディア施策やプランニングを作成し、ご提案します。
これにより、新たにCV発生件数が毎月100件から200件程度獲得できるメディアを作り出すことができました。
【メディア】
下記のような成果が出ています。
- 「類似サイト」機能を用いて、開拓先となる広告掲載メディアのリストアップ。2023年下期に開拓したメディア様経由で計数百万の売上を計上。その他20以上の新規メディアと接点を構築し、継続的に取り組み提案実施中
- メディアの取り組みジャンルを先んじて把握することで、提案ジャンルを絞ることができ、業務効率化につながっている。
- 総じて、2023年下期はA8.netのネットワークにおける広告出稿メディアの領域の強化につながった。
2023年の下半期(7月〜12月)では、プロジェクトとして積極的に開拓を行い、この期間に新規に接点を持ったメディアからだけで計数百万円の報酬が発生する状況でした。
また、全体で20以上のメディアと接点を持ち、引き続き新しい取り組みを提案した結果、数百万円の売り上げを生み出したメディアも同様に売り上げを伸ばしています。
そのため、2024年もコンサルティングを続け、さらに大きな売上げにつなげるための種まきができたという状況です。
なぜ、SEOツールからSimilarwebに切り替えたのか?
━━━以前は他のSEOツールを利用されていたと伺いました。なぜ、Similarwebに切り替えられましたか?
ポイントとしては、下記となります。
- 広告主が集客利用している広告ネットワーク(ASP含む)、及びパブリッシャー(メディア)情報の取得
- オーガニック検索以外のチャネルの分析(トラフィック量、マーケティング施策情報)
- ユーザーデモグラフィック情報の取得
- キーワードを基軸としたシェアの推移の分析
- メディアが掲載している広告ネットワーク(ASP含む)、送客先広告主の情報の取得
部署によって、以前のSEOツールではできないことが色々ありました。
【新規開発部】
以前のSEOツールではできず、Similarwebでできるようになった有用な機能として、ユーザーのデモグラフィックはマーケティング領域でよく使用されています。
マーケティングでは定期的にコラムを出しています。
この時、競合となるコラムを対象に、そのデモグラフィック情報を見て、どのようなユーザーであるか、どのようなキーワードがSEO上位に上がっているかを分析し、それを活用したコラムを作成して発信しています。
これは恐らく以前のSEOツールのみならず他のツールではできない、Similarwebの独自性ではないでしょうか。
【メディア】
以前のSEOツールはSEO分析において非常に優れたツールだと思いますが、広告領域に入ると使いにくくなると感じています。
広告主からA8netに対して守備範囲の拡大が求められる中、どう対応していくか、広告出稿やメディア開拓をどう進めるかを考えた時に、以前のSEOツールだけでは物足りない状況が続いていました。
4年間に渡る長期契約締結の理由とは?
━━━今回、4年間の長期契約を結ばせていただきました。長期契約にいたった理由を教えてください。
二つ、ポイントがあります。
一つ目は、ツールの活用を組織に浸透させるためには、実際に扱うスタッフがその必要性を感じることが非常に重要です。
Similarweb Japanのサポートは厚くて丁寧であり、我々が使用しているコミュニケーションツールに合わせてチャンネルを立ち上げ、不明点の解消に努めていただいています。
また定期的に勉強会を開催していただいたり、スタッフの活用効率とモチベーション維持のためのサポートも頼もしいと思いました。
二つ目は、我々が広告主様のマーケティング成功に伴走するにあたって、市場調査はビジネスを進めていく上では切っても切れない関係であるためです。
顧客に伝える情報の「分かりにくさ」をカバーするのがビジネスの基本姿勢でなければならない中で「A8.netのネットワーク上での成果状況ではこうですが、市場の動きやトレンドはこうです。」など、Similarwebを介してリアルタイムでサポートが出来る基盤が作れた点も、長期契約にいたった理由の一つです。
━━━これから、Similarwebをどのように活用される予定か、展望を教えてください。
また、SimilarwebとCRMのAPI連携を考えています。
A8.netは様々な業種且つ多数の事業主と取引があります。そこで、1st パーティーデータと3rdパーティーデータを活用し、定量的に営業戦略を立てることで、新規営業やコンサルにおいて、お客様の満足度向上に努めていきたいです。
新規営業に関しては、そのデータを元にターゲットを狙っていくことを行います。
コンサルでは、一人あたりが抱える広告主の数が多く、どの広告主からコンサルすれば良いか分からない状態になっているのが事実です。
そこで、定量的なデータを元に優先順位付けをし、広告主の指名系キーワードが低い場合はコンサルティングが必要であるといったことがデータとして分かると、説得力が増し、お客様の満足度も上がると考えています。
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